Androidオペレーティングシステム上でAndroidアプリケーションを実行するために使用される主な仮想マシン（VM）は以下の通りです。
- Dalvik VM: Dalvik VMは、初期のAndroid OSバージョンにおいて使用されていたVMです。Dalvik VMは、JavaバイトコードをAndroid用の独自のバイトコード形式に変換して実行します。Dalvik VMは、オンデマンドでクラスをロードすることでメモリを効率的に使用し、低いリソース環境に適したVMとして設計されていました。
- Android Runtime (ART): ARTは、Android 5.0（Lollipop）以降で導入された、Dalvik VMの後継のVMです。ARTは、AOT（Ahead of Time）コンパイレーションを使用して、Javaバイトコードをデバイス固有のマシンコードに変換して実行します。これにより、起動時間の短縮や実行速度の向上が期待されます。
これらのVMは、Javaプログラミング言語をベースとしたAndroidアプリケーションの実行に使用されますが、Kotlinなどの他のプログラミング言語もJavaバイトコードに変換されてこれらのVM上で実行されます。また、ARTおよびDalvik VM以外にも、特定のフレームワークやランタイム環境に合わせたカスタムのVMが存在する場合もあります。