1. ローカル環境でのPython環境共存
(1)共存可能だが…
一般的に、複数のPythonバージョンを同じパソコンにインストールしても、問題は発生しないでしょう。Pythonのバージョンは独立して動作し、互いに干渉しないため、異なるバージョンのPythonを同じ環境にインストールしても、それぞれが独立して利用できます。
(2)競合問題について…
ただし、注意点がいくつかあります。以下に挙げるような場合には、問題が発生する可能性があります。
① PATHの設定
PATHは、システムがPythonの実行可能ファイルを探す場所を示す環境変数です。異なるバージョンのPythonが異なるディレクトリにインストールされている場合、PATHの設定に注意する必要があります。正しいPythonバージョンが実行されるように、PATHを適切に設定してください。
② パッケージの競合
異なるPythonバージョンに対応するパッケージやライブラリをインストールすると、競合が発生する可能性があります。例えば、Python 3.10向けのパッケージをインストールした後にPython 3.11を使用すると、競合が発生するかもしれません。この場合は、仮想環境を使用するか、Pythonのバージョンに応じたパッケージを選択するように注意してください。
③ システムの安定性
Pythonの新しいバージョンには、古いバージョンに比べて新機能や修正が含まれていますが、まだ十分にテストされていない可能性があります。したがって、Pythonの新しいバージョンを使用する際には、システムの安定性についても考慮する必要があります。
(3)環境作成にあたって
以上のような点に注意し、適切に設定・管理を行うことで、異なるPythonバージョンを同じパソコンにインストールしても、一般的には問題は起こらないでしょう。ただし、状況によっては競合や互換性の問題が発生する可能性があるため、注意が必要です。
2. 仮想環境の活用について
上記にあるように、ローカル環境での複数バージョンのPython環境作成では(本来の開発作業とは別の)余計な障害が発生しやすく、(開発環境が)クリーンではなくなりますよね。
そこで仮想環境の活用が、有効な対策になってきます。
これについては別記事「[基礎用語] Anaconda(パッケージ管理システム)について」をご参照下さい。